ABOUT

工法概要

災害に備える

近年、異常気象や地震等の自然災害において文化財や歴史的価値のある建造物の石積みをはじめ、擁壁が倒壊する被害が相次いでいます。また、このような被害は、多くの人命を奪う可能性もあります。
IBアンカー工法はこうした背景の中で、有事の発生時にも石積み擁壁の倒壊被害を最小限に食い止める、画期的な工法です。

IB ANCHOR METHOD

IBアンカー工法とは

自然災害による石積み・ブロック積み擁壁の倒壊を最小限に食い止めることを目的とした画期的な工法

IBアンカー工法は、石積み擁壁やブロック積み擁壁の背面地山に鋼製ロッドを挿入して、高強度の発泡ウレタンを注入することで、擁壁と背面地山の一体化を図る工法です。

発泡して拡散したウレタンが背面地山の空隙部に緻密に発泡加圧充填されます。また、充填されたウレタンは部分的に固化するため、排水性を失いません。擁壁の規模を問わず施工できるため、個人宅から重要文化財まで幅広く対応します。

特許第6818277号
NETIS新技術登録 CB-240026-A
工法図解
IBアンカー工法の特徴

CONSTRUCTION METHOD

施工方法

IBアンカー工法は、以下のような流れで施工を行います。

process01

削孔・注入用ロッドに削孔用ロストビットを取り付けて所定の深さまで削孔します。削孔・注入用ロッドは孔内に残置させ、補強芯材として利用します。

process02

注入アダプターを削孔・注入用ロッドに取り付けてNTRフォームを充填します。削孔・注入用ロッドの中空孔を介して先端開口部より背面地山の空隙部に注入して、オーバーフローさせることで石積壁の裏グリ石層に太径の固化体を形成します。

process03

美装で外観を復元し、石積み擁壁の景観性を棄損しません。
ただし、この表面処理には口元部の先行コアリング削孔が必要です。(他にも低頭アルミキャップ処理などの選択も可能です。)

Before
After

IBアンカー工法では、施工範囲を最小限で抑えるができるため、
削孔した石積やブロックを再利用や施工場所の外観を変えることなく施工が可能です。

使用材料・機械

削孔・注入用ロッド

削孔、ロッド挿入、注入が一工程で完了できるので経済的です。また全ネジ鋼棒であり、カップラで接続すれば、最長3mまでは人力施工が可能です。

注入材 NTRフォーム

低発泡のウレタン系注入材のため、少量で空洞を充填でき非常に経済的です。また、硬化時間が非常に短いため、短時間での施工が可能です。発泡倍率は、5倍発泡と10倍発泡を用意しています。

注入ユニット(車載可)

圧力と流量を管理しながら、薬液を注入する装置です。軽量・小型で、狭小でも施工可能です。

COLLAPSE MECHANISM OF RETAINING WALL

石積み擁壁の崩壊メカニズム

図解1
排水機能保持+裏グリ石沈下防止+背面地山の崩壊防止

度重なる雨水侵入や地震履歴による裏グリ石の沈降や背面地山の変状は、石積み壁面に『はらみ出し』を発生させて擁壁の面状を不安定化し、その後に発生する地震により倒壊に至ります。大規模地震では背面地山も同時に崩壊した多くの事例報告もあります。

図解2

IBアンカー工法では、石積み擁壁の面状にはらみ出しが生じないように所定間隔で中空ボルトを打設し、ボルト中央孔を介して先端部から短時間で自己硬化する低発泡高強度の硬質発泡ウレタンを注入し、口元でリターンが確認されるまで加圧充填することで、空隙率の大きな裏グリ石部に所定の太い固化体を自己形成します。この固化体により裏グリ石の沈降を抑止し、さらに背面地山とボルトの定着により石積み擁壁の倒壊を防ぐことが可能です。

SPIDER WEB METHOD

スパイダーウェブ工法

透明特殊コーティング材の塗膜が地震時の慣性力による石積みの滑り出しの抑制や劣化による石積の欠損対策に適しています。
透明特殊コーティング材は施工後の表面異常が目視により確認できます。

透明特殊コーティング材による表面工(防災&防草)

IBアンカーに拘束されていないボルト間の「間知石」「間知ブロック」など、地震時慣性力による滑り出しを抑制するため、壁面全体の剛性を向上させること、また「間知石」「間知ブロック」表面のクラック、隙間を埋める接着工法を用意しました。

押抜き試験・付着強さ試験

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